【楽器にまつわる豆知識】
完璧な歪みへの旅～ディストーション編～

【完璧な歪みへの旅～ディストーション編～】

皆さん、歪みの探求は続いていますでしょうか？前回は当店のおすすめオーバードライブについてご紹介させていただいたので、今回はディストーションについて！前回ご紹介させてもらった商品も何点か売れてしまったものもあるので、気になるものがあれば早めに問合せや試奏をおすすめします！

【electro-harmonix BIG MUFF π】

ディストーションといえば定番といっていいBIG MUFF。図太い音圧はBIG MUFFならでは。TONEに関しては上げていくとLOWがカットされ音の線が細くなるので、オールラウンドというペダルではありませんが、LOWを強めにしてドカンと音の壁を作ったり、HIGHを出してザクザク刻んだりなど、特化した使い方が適していると思います。こちらは現行品になるので昔のBIG MUFFよりまとまったサウンドにはなりますが、ノイズも少なくなって使いやすくなっている印象です。

【Suhr Riot RELOADED】

ここ最近、人気急上昇中のSuhrのRiot Distortion。その改良版となるRELOADEDはGAINの幅が広くなっています。音の特性的にはRiotと同じでGAINの幅が広く、ハイゲインなディストーションはもちろん、煌びやかなクランチテイストのサウンドも作れます。Voiceスイッチで音の太さも調節も可能で、ソロでもしっかりとした太さを出せるので、さきほどのBIG MUFFとは逆でオールラウンドなペダルかと思います。荒々しい歪みより綺麗にまとまった歪みをという方にはぜひおすすめです。

【CASTLEDINE The WIZARD】

最初期Black sabbathのトニーアイオミサウンドからインスパイア！というペダル。2段階のGAINを持っていてディストーションから荒々しいファズらしいサウンドまでアウトプットします。TONEはTREBLEしかありませんが、しっかりとした芯のあるローミッドがあるのでバッキング・ソロでも難なくこなせる印象です。このTREBLEでぶ厚いサウンドからジリジリ鳴るサウンドまで音色はかなり変化するので、このペダルの肝でもあると思います。とにかくサバスのサウンドを！という方にはもちろんおすすめですが、しっかりとしたローミッドは色んなジャンルでも使いやすいのではないかなと感じました。

【Ovaltone OD-FIVE 2 Xtreme】

今は生産中止となっていてプレミアがついている超多機能ディストーション。まずピッキングに対するレスポンスがすごいです。GAINを強めに設定しても軽く弾くとクリーンサウンドぐらいになるほどニュアンスを出してくれる所が驚きました。2チャンネルの切替ができ、それぞれ独立した音作りが可能。各々ブースト、ミッドシフトも可能なので非常に細かいセッティングができ、PRESENCEも搭載。まさにオールインワンペダルといった感じです。個人的に下のチャンネルは若干ハイ、上のチャンネルはローが出る印象はありましたが、大幅にキャラクターが変わる事は無いので、一度セッティングを決めればバンドアンサンブルの中でも溶け込ませやすいかなと思います。ただしプレミアがついているのでお値段が……汗

ちなみになんですが、けっこうオーバードライブからディストーションの定義って曖昧だと思いませんか？歪みの強さで言うとオーバードライブ→ディストーション→ファズというの はお分かりだと思います。ファズなんかは独特のブチブチいうような荒い歪みなので分かりやすいと思いますが、ディストーションはこのぐらい歪んだら…みたいな感覚的な所もあると思います。

言葉の意味としてはオーバードライブとは「酷使する」という意味で、アンプ（真空管アンプ）を限界まで出力した時に起こる歪みの状態の事で、クリーンの状態でそのサウンドを再現したものがオーバードライブ。対するディストーションとはそのまま「歪み」という意味で、意図的に信号を増幅させ歪ませたのがディストーションです。オーバードライブは「状態」の事、ディストーションは「歪んだ音」の事を指すので、歪み系というとディストーション系といっても意味的には間違いではないんです。今は多種多様な歪みが出ているので、さらに曖昧になってきている所はありますね。オーバードライブでもかなり歪むペダルも出ていますし。そういう意味ではオールマイティなペダルが増えたなーという印象があります。

今回は何か気になるものはありましたでしょうか？こちらを読んで少しでも皆さんのエフェクター選びの手伝いになれば幸いです。次回はファズについて！…と思いましたけどベース用の歪みもおすすめがちょこちょこあるんですよね。うーん……どちらかは次回のお楽しみに！